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「新制御式リフティング・マグネット」について

株式会社マグネテックジャパンは、リフティングマグネットを開発・製造・販売しているWSM社との相互の技術・販売協定のもとに、優れたリフティングマグネットとその関連製品を提供します。

永電磁リフティングマグネット

リフティングマグネット(リフマグ)は、鉄系の材料/資材を磁石を使って運搬処理するための設備です。 一般に,電磁石を使った装置、永久磁石を使った装置がある他、ここで紹介する両方を組み合わせた新制御方式(永電磁式)の装置の3種類があります。

リフマグには、大きく分けると板材を製造する現場や使用する現場などで使われる板材用リフマグ、鉄系廃材のリサイクル等で使われるリフマグがあります。 これらについて基本的な技術の違いはありませんが、対象物の大きさや形状などによってリフマグや電源などを最適に設計する必要があります。

マグネテックジャパンではお客様のご要望をうかがいながら、大型から小型まで、そして永久磁石式、電磁石式、永久磁石+電磁石組み合わせ式など、最適なものを設計・製作致します。



[用途例:鉄板用リフマグ]
板材や鉄材ブロックを運搬するため、大型/マルチモジュール/強力吸着などの特徴を持つ。製鉄所、造船所などの比較的大規模な工場に設置されることが多い。

[用途例:リサイクル材用リフマグ]
リサイクル鉄筋、スクラップ自動車/機械、産廃分離鉄材などを運搬/載せ替えするために使われることが多い。比較的中規模/小規模な工場に設置されることが多い。


以下ではリフマグの3方式(電磁石を使った装置、永久磁石を使った装置、両方を組み合わせた装置の3種類)のそれぞれの方式について簡単に説明します。


[①従来型:電磁式(電磁石を使った)リフマグ]
電磁石式は磁場を発生する為の電気コイルとその電気コイルから発生する磁場を吸着部材の方に伝達する為の鉄芯で構成されています。
下図1-1のように電気コイルに電流を流すと電気コイルでは磁束(Φ)が発生し、 その磁束は鉄芯と吸着部材を通して流れ、電磁石と吸着部材の間で吸着力が発生します。
下図1-2のように電流を遮断すると電気コイルに磁場が発生せず、電磁石と吸着部材の間の吸着力は無くなります。
但し落下事故を防ぐ為に電気系トラブルや停電時の対策用に大容量のバッテリーを装着する必要があり、また電磁石から発生する熱を抑制するために多くの電気コイルを必要とする為、電磁石の容積と自重が増加する傾向にあります。



[②従来型:永磁式(永久磁石を使った)リフマグ]

永久磁石式は磁場を発生する為の永久磁石と永久磁石から発生された磁場を吸着部材の方に伝達する為の鉄芯とで構成されています。
下図2-1のように鉄芯内部に永久磁石を装着する事で永久磁石による磁束(Φ)が発生してその磁束は鉄芯と吸着部材を通って流れ永久磁石と吸着部材の間で吸着力が発生します。
永久磁石式は永久磁石から発生する磁力を遮断する事が困難な為吸着物を引き剥がしたり、または別の永久磁石を装着して吸着部材側に発生する磁束(Φ)を鉄芯内部に戻す構造にする必要があります。
着脱をより容易にする為に機械装置を追加すると、大きさと重量が増加する傾向があります。



[③新制御方式」永電磁式(永久磁石と電磁石を組み合わせた)リフマグ]

永電磁併用式は磁場を発生する為の永久磁石と永久磁石から発生した磁場を吸着部材側に伝達する鉄芯と、発生した磁場を電気的に遮断する為の電気コイルで構成されています。
下図3-1のように鉄芯の内部に永久磁石を装着する事で永久磁石によって磁束(Φ)が発生してその磁束は鉄芯と吸着部材を通って流れ永久磁石と吸着部材の間で吸着力が発生します。
下図3-2のように永久磁石から発生した磁力を遮断する為に永久磁石の磁気方向と反対に磁場を発生させるよう電気コイルに電流を流すと永久磁石から発生した磁束(Φ)は鉄芯部内を循環する事で吸着力が無くなり吸着物を自動的に取り外せます。
永電磁併用式の原理は永久磁石から発生する磁場の方向を変えるものなので、このシステムによる永久磁石の減磁はせずに性能を維持できます。




リフマグは鉄系の材料を運搬する現場で広く活用されています。
従来の電磁石では電力の供給が切れた際に搬送物が落下する事故につながる事が懸念されます。 それらの事故を未然に防ぐ為にバッテリーやチャージを搭載したものが一般的に使用されていますが、重量の問題がある事でクレーンなどのシステムもそれに合わせたものが必要となり、その費用も膨大となります。 また大きな電磁石であるほど長時間使用する事で発熱により磁石の能力が低下したり、場合によっては火災事故につながります。

上記の問題に対しての改善をしたものが“永電磁式”です。 永久磁石で搬送物を吸着・搬送し、電磁石により磁力を遮断する事で搬送物を取り外す。つまり磁力を遮断する際のみ電力を使用するので電力の消費量を軽減できます。加えて、電力供給が切れたとしても永久磁石で搬送物を保持し続けますので、で安全で効率の良い搬送システムを構築できます。 今後安全対策として、またコスト削減や電力の供給が乏しい地域などでは非常に有効なシステムと言えます。



総合的な特性を発揮して有効活用を進める為にも、WSMのチョッパー式電源システム(下記にて紹介)をご検討ください。従来のサイリスタシステムに比較して、約5倍のエネルギー効率です。また、安定した直流を供給することができます。マグネットに対しても優しい電源システムです。

永電磁併用式リフティングマグネットの設置例









チョッパー式電源システム(チョッパードライバー)

WSMでは、世界初のIGBT半導体を使ったリフマグ用の電源システムを開発しました。コア制御装置はドイツ製で、Tdc(デューティーサイクル)は20kHzです。電磁石を駆動する場合では、コイルのインダクタンスがありますので実効的に直流となります。サイリスタ制御の場合では、50Hzまたは60Hzの交流ですので、20kHzはこの電源周波数のほぼ300倍の、とても高い周波数になります。
WSM電源システムは制御信号の出力が可能でネットワーク接続が出来ます。また、入力したエネルギーの効率はサイリスタ式に比較して約5倍程度となります。出力電圧の変動幅も約1/10程度という高い安定性を誇ります。まさに、リフマグに、リフマグの運用者に、そして環境にも優しい電源システムです。



[サイリスタ式電源システム]
サイリスタ半導体を使った電源システムはトランスレスで広く使われるようになりました。供給される50Hzまたは60Hzの交流電源をつかって、その一定の位相角までの部分を任意に切り出し電圧/電流を制御します。 図のTiのタイミングで電源電流を切り出すと、概ねEoの電圧として得ることができます。実際の電圧は図の下に示すような変動となってしまいますが、装置が簡単なため広く使われます。

[チョッパー式(IGBT)電源システム]
IGBT半導体を使った電源システムです。駆動する周波数によって電圧を印加する時間を切り出します。電流は、電圧を印加する時間の長短によって制御します。一般に、制御周波数を高い領域に設定可能なので細かい量子化レベルで電流を制御できます。
図のTdc(デューティーサイクル)単位が十分に小さく、またマグネットではインダクタンスがありますので、図の下部分に示すように実効的に直流となります。